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個人の要望が直接設計に反映する住宅デザインは、官公庁、学校、公団に比べてよりディテールを重視される。同じ設計の世界とはいえ、仕事の性質は幾分異なり、一から覚えることばかり。上司から厳しく指導されることの連続だった。しかし、その中で、「もっとやっていきたい」という向上心に火が付き、負けず嫌いな自分を発見していく。そして、何より、苦労の末、完成し引き渡しのときにお客様からこぼれる笑顔に自分の進む道はここだと確信を持ったのだ。この頃から、前職、(株)岩見田建築設計事務所の先輩で、後のご主人となる日野弘史さんとお付き合いがスタート。仕事に関しては適切なアドバイスをくれる良い先輩として、趣味の音楽鑑賞を通じては気の合う仲間として関係を深めてゆき、27歳で結婚した。
この結婚により接することとなった愛情豊かな彼の実家の環境は彼女の家族観、仕事観に多くの影響を与えた。彼女自身、専業主婦の母のもと、育てられたこともあり、将来、子供が出来たら仕事の両立は難しいのではないか、と考えていた。ところが、義母の仕事をしながらも、愛情たっぷりの家庭を築いている姿にその考えを改めさせられたのだ。
四六時中、一緒にいることがすべてではない。一緒にいる時間の過ごし方が大切であることを教えられる。そして、日野家の一員となれたことを、心から嬉しく思ったという。
また、建築デザインにおいても、様々なスタイルでの暮らしや、家族のあり方など、建物の中で暮らす人をより具体的にイメージするようになる。
しかし、結婚して6年目、弘史さんが癌を発病。半年に及ぶ入院と3回もの手術。朝、夕と病院へ通う毎日の中、彼女の中に急激に妻という自覚が芽生えた。病床で弘史さんを支えていたのは、元気になった、自分のデザインをこれまで以上に積極的に手掛けていきたいということ。その思いを同じ建築家としてはもちろん、妻として受け止めた。そして、退院を迎え、体調が回復に向かったので晴れて半年後、「ヒノデザインアソシエイツ」を設立した。ところが、設立1年後、元気になった思っていた弘史さんの体調にまた異変が。その後、入退院の繰り返しで順風満帆とはいかなかった。
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建築家 日野桂子さん 一級建築士事務所「ヒノデザインアソシエイツ」代表。日本建築家協会会員 1967年生。札幌出身。1988年道都大学短期大学部建設科建築デザインコース卒業。岩見田建築設計事務所、一級建築設計事務所アトリエアムを経て1999年よりヒノデザインアソシエイツ所属。2002年より同事務所代表に。2003年「きらりと光る北の建築賞」受賞。翌2005年同賞を2年連続受賞。2007年建築家のあかりコンペ入賞(日本建築家協会) ヒノデザインアソシエイツ 札幌市中央区宮ヶ丘2丁目1‐2 ヒルサイドテラス3F |
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