

海香子(みかこ)をご存知だろうか?現在、Air-G'で毎週土曜日午後7時から放送されている
「海香子のMAKE an EPOCH」のパーソナリティを努めている女性シンガーである。

見かけはアイドル風、歌えばアーティスト風。伸びのある声で、切ない女心を歌い上げる。そんな
雰囲気に対してラジオでの語りは、2年目の新人アーティストとは思えないほどに数々のエピソード
がポンポンと飛び出してくる。基本は30分の音楽番組だが、海香子らしさが発揮されるのは、ところ
どころで彼女自身から発信する情報だ。中身は東京での流行りものだったり、彼女が今現在はまって
いるものだったり、とにかく話題が尽きることはない。その語り口からは、好奇心旺盛で、かつ行動
派であるという性分をうかがい知ることができるだろう。何よりも驚かされるのは、言葉に女子高生
にも匹敵するほどのパワーがみなぎっていることだ。そこに大人の理屈が入り込む余地などない。
このパワフルさこそが彼女の一番の魅力なのかもしれない。1975年生まれの32歳。純粋な思い
のままに突き進んだところ、30歳を過ぎて歌手デビューという夢に到着した。デビューするまでの道
程ば、まさに海香子ならではのものがあった。

海香子さんは学生時代に一度、芸能人らしき活動をしていたことがある。高校生の時から芸能事務
所に所属。大学時代にはレポーターとして深夜番組に出演していた。それらの活動を続ける中で、彼
女がいつも心の中に抱いていたのは、いつかは歌手になりたい、という思いだった。
歌手への思いをあきらめたわけではなかった。だが、大学卒業を機に一度、芸能界から距離を置く
ことを決心し、彼女は広告代理店に就職した。
社会に出てからといって性分がそう変わるものではない。代理店の次に勤めたのはテレビ局で「彼女らしさ」を存分に発揮した。
テレビマンとして駆け出しの頃から、物おじすることはなかった。やってみたいと思った番組の企
画書を書いて、プロデューサーに直談判。新人の企画書がそう簡単にお眼鏡に叶うわけもなく、いつも突き返されるのだけれど、そんなやり取りを何度か続けるうちに根負けしたプロデューサーが彼女
に手を差しのべてきた。「仕方がないな。企画書の書き方を一から教えてやる」という言葉をかけたのだ。
テレビ番組製作のノウハウを学ぶうちにディレクターに駆け上がっていたのだが、その一方で趣味
としての音楽活動も同時に開始。バンドを組み、都内のライブハウスでライブを行っていた。次第に
歌手への思いが再び頭をもたげてきたのは3年を過ぎた頃からだった。もっと音楽活動に時間を割き
たいと思い、方向転換。アルバイトをしながら歌い続ける道を選択した。

「友だちから電話をもらった時にはいつも『海香子、今、何やってるの?』って聞かれますよね。で
、説明すると『相変わらずだね。海香子らしい……』って言われます」
テレビ局を辞めてせんべい屋でせんべいを焼いてるそんな時期だった。ピアノと2ヴォーカルの3
ピースバンドで活動をしている時にライブを見ていたレーベルから声がかかった。彼女のシンガーと
しての道は開かれたのだ。
デビューして2年が経過した。彼女はシンガーとしての活動をこう捉えている。
「本当に私は周りの人に恵まれているんですよ。行動派に見られがちですが、実は自分に対しては消極的な部分もあるんです。周りの人たちが、私のいい部分を引き出し、導いてくれたから今、歌手と
しての活動が続けられているのかなって思います。曲は自分で書きますが、実は私は楽器をさわることができません。感覚的に鼻歌で作ったものを聞き取り、アレンジし、そして、曲にしてくれる人が側にいるんですね。歌を歌っているんだけれど、実は私って歌以外にも色々な部分を持っているらし
く、事務所の社長もそこを気に入ってくれたから、声をかけてくれたのかなって思います」
海香子さんの人生のテーマは、楽しく生きること。いろいろなことに興味を持って、美しく楽しい
人生にしたいと希求している。だからこそ、いつもとは違う場所に来た時には体がうずうずするとい
う。
札幌通いも2年目。週に1回のラジオ番組なので、滞在は毎回長くても2日程度。だが、行動派の
彼女はやることが違う。収録の合間をぬってヨガ教室に通い、ついにはインストラクターの資格まで
取得したというツワモノなのだ。目下、はまっているのはコスメ。「美容関係に財布の7割を費やし
ているかも。親には言えませんよね」と言い、ケラケラと笑う。
自分にとって思うようにならないことがあってもくよくよしない。「どうにかなるさ!」、「何か楽しいことがあるかも!」と信じて行動する。このポジティブな姿勢が彼女を目映いばかりに輝かせている。
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海香子さん
シンガー。1975年東京生まれ。父親が札幌、母親が東京の出身ということもあって、本人曰く「道産
子と江戸っ子のハーフ」。北海道は第二の故郷だと思っている。取材・撮影場所は「cafe
restaurant rit (カフェ・レストラン・リット)。ステージ上でマスターのギターを伴奏に、松田
聖子の「スィートメモリ-ズ」とイルカの「なごり雪」を歌い上げた。
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