"rouge"は「口紅」の意であり、キュートでセクシーな女性を象徴。
"non"を付けることで、「素顔の」「本音の」という気持ちを込めました。

きっかけは「憧れ」だった。 「かっこよかったですよね。ダンスしているところだけじゃなくて、身なりとか仕種など、何から何まで、すべてが。自分も将来、こういう人になりたいなって思いました」  今からさかのぼること20余年前。横山恵さんは野幌で暮らす、ごく普通の小学生だった。小学校2年生の時に町が主催する「子供ジャズダンス教室」に参加。そこで生まれて始めてジャズダンスなるものを体験し、彼女の人生は大きく揺れ動かされた。  少女時代はどちらかといえば引っ込み思案の性格だったという。そこで親のすすめもあって小さな頃からピアノ、習字などの習いごとに積極的に勤しんでいた。ジャズダンスもそんな習いごとに新たに加わるもののひとつに過ぎなかった。  当時、ダンスといわれ彼女の頭に思い浮かんだのは、学校などで行うフォークダンスのようなもの。『ジャズダンス』がどんなものか具体的にイメージすることはできなかった。ところが、いざ教室に参加してみると、彼女の心の中で何かが大きく弾けた。元来、体を動かすことが好きだったのもその要因の一つだったのかもしれない。彼女の心を揺さぶったのはダンスインストラクターの存在だった。彼女たちが放つ輝きにすっかりと魅せられてしまったのだ。 「指導をしてくれたのは、今、私が所属している『ダンススタジオ・マインド』のインストラクターでした。とにかく、かっこよかったんです。こんな仕事があるんだな、自分もやってみたいなって思いました」  さらに彼女の心を刺激したのはダンスの発表会。『ダンススタジオ・マインド』のダンス発表会の舞台に野幌の教室のメンバーとして立つ機会が与えられた。そこで彼女は初めて観客が見つめる中、スポットライトを浴びてダンスする経験をし、いいしれないほどの感動と高揚感を得たのだ。すっかりダンスの虜となり、ダンスに彩られた人生がスタートした。

 野幌でのジャズダンス教室は小学生が対象。小学校卒業後もダンスを続けたいと思っていた彼女は、中学生になると同時に迷うことなく『ダンススタジオ・マインド』に籍を置き、本格的にダンスを学ぶことにした。レッスンは月曜日から日曜日まで休みなし。ダンス中心の生活になり始めたのはここからだった。  スタジオでは毎日色々なジャンルのダンスレッスンが約1時間刻みでぎっしりとプログラムされている。バレエ、ジャズダンス、ヒップホップなどから好きなレッスンをチョイスし、受けるという仕組みになっている。横山さんはジャンルにとらわれることなく、貪るように様々なレッスンを受講し、ダンスの技術を吸収していった。 「学校が終わってからなので、受けられるレッスンは1日に2つか、3つ。大人の教室にポンと放り込まれたので、最初の頃は踊れなくて悔しい思いもいっぱいしたし、泣きながら家に帰ったこともあったけど、とにかく好きなダンスが毎日できるので楽しくて仕方がありませんでした」  ダンス漬けの日々は、彼女に合っていたのかもしれない。中学、高校の6年間、毎日のようにスタジオに通い続ける中でダンスの技術を身に付け、インストラクターの道へ、着実に近付いて行った。そんなダンスに対してひたむきな姿勢を周りの人たちがしっかりと見ていた。高校卒業後、自然な流れとして彼女の前にインストラクターの道が開けていたのだ。 「私はどうやったら将来インストラクターになれるのかって思って、夢中に頑張っていただけ。ただ、まっすぐに夢を追い続けることができたのは環境が大きかったと思うんです。『マインド』は舞台の数も多く、私にもチャンスがあったんですよね。周りの人が私を引き上げて行ってくれたっていうか。本当にラッキーでした」

 20歳の時に初めて『ダンススタジオ・マインド』でクラスを受け持ち、インストラクターになる夢を叶えた。現在は、同スタジオで週に6つのレッスンを受け持つほか、他のダンススタジオにも足を運び、指導を行っている。教えてれているのはもちろんジャズダンスだ。 「ダンスならば何でも好きだったので、ジャンルは気にすることなく色々なスタイルを学んで来ました。ジャンルによって動きが違うので、それはそれで楽しかったです。ただ、どうしても『ジャズダンス』だけは誰にも負けたくないっていう気持ちがあったんですよね。私のダンスの中心にはジャズがあって、それを取り囲むようにヒップホップとか、他ジャンルがある感じです」  ダンスは体で表現するもの。その時の心や情熱、人間性が踊っている姿に自然に表れてしまうものだという。だからこそ横山さんはインストラクターは周りから憧れられる存在でなくてはならないと考えている。少女時代の自分がインストラクターに憧れたように、ダンスにしても、ファッションにしても、生き方にしても、「かっこいい存在」であることを願っているのだ。

横山 恵さん

幼少の頃より「宏瀬ダンスカンパニー」(現在ダンススタジオマインド)にてダンスを始め、様々な種類のダンスを学び、後にインストラクターとなる。舞台、イベント、ショーの振り付けのほか、ダンサーとしては 第12回国民文化祭かがわ'97(文部大臣奨励賞受賞)、'98TRFツアーに参加。2004年にはインストラクター仲間とダンスユニット「EXCEED」を結成し、クラブイベントなどでパフォーマンスを披露。札幌のダンスシーンを牽引する。