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川端さんは現在、札幌市街でトラットリア・エ・カフェ「イルピーノ」、わいん居酒屋「いる」というイタリアンレストランを経営するかたわら、フードコーディネーター、テーブルコーディネーター、野菜ソムリエ、料理教室講師として活躍。目下、札幌の新しい食文化をリードするキーパーソンとして注目を集めている。
そんな彼女ではあるが実は、十年余前までは銀行に勤めるごく普通のOLさんだった。大きなプロジェクトが一段落し、それを転機とばかりに退職を決意。決意したといっても心の奥で密かに温めてきた夢があったわけでも、その先の人生に明確なビジョンがあったわけではなかった。ここで彼女は考えた。「とりあえず、イタリアに行ってみよう!」と。 「イギリス、フランス、イタリアの3か国のうちイタリアが一番気に入ってしまいまして。ローマのレストランで食べた食事がとても美味しかったんですよね」 2度目のイタリア訪問となったこの時は北から南までくまなく満喫。イタリアの魅力に改めて触れ、虜になった。これをきっかけに彼女の「イタリア通い」が始まった。27歳の時だった。
昔から料理が好きだったので、本場でイタリア料理を勉強するのもいいのではないか、ということで、今度は料理学校に入ることにしました」。観光ビザが切れるまでの3か月間滞在し、日本に帰国して2か月後にまたイタリアに渡るという「イタリア通い」の生活を2年続けた後、それからは現地で知り合った人の家にホームステイさせてもらいながら、家庭料理に触れる機会を得た。イタリアの食文化が知れば知るほどに面白く、興味は尽きなかった。そして、さらにイタリアの食文化は彼女に強烈なインパクトを与えた。「イタリアの食文化って、考え方がとてもシンプルなんです。地元で取れた物は地元で消費する。キャンティ地方に行くと、キャンティのワインを飲み、ヴェネツィア地方に行くとヴェエツィアで取れた食材を使った料理を食べる。また、『旬』の考え方がしっかりしていますよね。とあるレストランで冬にトマトを使った料理を頼んだら、『トマトは夏に食べるもの』とサラリと言われる。当たり前のことなんでしょうけど、ビックリしました」。
OL生活に別れを告げてから十年余。今でもイタリアンへの好奇心は尽きない。変わった点を強いて挙げるとすれば、好きだったことビジネスになったことと、興味の視点がイタリア本土から北海道の食材に向けられていることである。店鋪で使う食材は魚介類などは北海道産にこだわりパスタは、北海道産小麦「春よ恋」100%を用いた自家製パスタを開発した。
「私の場合、好きなことをその都度、その都度、一生懸命取り組んできたから、今があるのかな、なんて思ったりします。これからもそうやって生きて行くんでしょうけれど」。「好きだ!」という気持ちこそが、新しい人生をつかむ特効薬なのかもしれない。
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川端 美枝さん Mie Kawabata フードコーディネーター (有)フードアトラス代表取締役 トラットリア・エ・カフェ「イルピーノ」 わいん居酒屋「いる」 札幌市中央区北1条西3丁目3‐25 荒巻時計台ビルBF/TEL.011‐280‐7557 |
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