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「気付くと心惹かれるのは、衣食住に関わるもの、つまり本来、人間が生きていくのに必要としていたものなんですよ」
そんな彼女の趣味の中でも、特別な存在となっているのが、始めて10年になるというスクーバダイビング。仕事や家事の時間を見つけては国内外の海を潜水しているという。
「初めて潜ったのは10年前。旅行先の沖縄でだったのですが、珊瑚礁の美しさに目を奪われる一方、深い海の中は気を付けないと命に関わるという本能的な怖さも感じました。スクーバダイビングにはお互いが安全を確認しあうため、2人以上で潜るバディシステムというものがあるんです。だから、たった一度の潜水の中で危険を共有し、守られ誘導されることにより日常では感じることのない人と人との信頼関係を感じられるんですよ。神秘的な水中の美しさと、危険への恐怖が共存しているからこそ実感できる人との繋がり…。そんな人と繋がり生きていることの素晴らしさみたいなものを見出したんです」。初めての潜水でダイビングに魅せられた彼女はその旅行中にライセンスを取得。そして続ける中で仕事に対する考え方も変わったという。
「もちろん、ダイビングをしていると楽しいだけではなく、危険な思いをすることも時としてあります。始めたばかりの頃は、潜水中にゴーグルが飛んでしまって目の前が何も見えなくなってしまったり…。そんなとき、一人だと何かにぶつかったり急浮上してしまう危険があるんですが、バディがいるからこそ、守り守られることができるんです。だからこそ、心から相手のことを信頼しないといけないし、私も信頼されていないといけないんですよね」。
そんな経験を重ねる内に、仕事に対する意識も変わったという。
「私が仕事としている看護士というのは、人の命と向き合う職業だからこそ、信頼関係がとても大切だと気付かされたんですね。潜っている時の、バディシステムと一緒です。そう思うようになってからは、職場のスタッフにも、患者さんに対しても『どうしたらより良い信頼を築けるのか』と真剣に考えるようになり、同時に自分自身ともしっかる向き合えるようになった気がします。人への接し方を始め、一つひとつ意識し実践するようになりましたね」。
「グアムに娘と潜ったことですね。娘の真剣な顔が可愛く思う反面、この子を絶対に守らないといけないという責任感を直に感じられて。そういう普段は意識していないけど大切なことを実感できるのが私にとってダイビングなんです」。
彼女は何のために、スクーバダイビングを続けていくのだろうか。
「私は極限の状態を味わいたくて潜るんです。ああ、生きているんだなぁという気持ちを感じたくて。そう感じながら潜ると嫌な気持ちとが浄化され、クリアな状態に入れ替えてくれるんです。私にとってダイビングは精神的なデトックス作用があり、また頑張ろうという気持ちにさせてくれる存在なんです。いつかは私自身が、海のように余裕と包容力のある人間になって、接する人に安心感を与えていけるようになっていきたいですね」。
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記内 恵さん Megumi Kinai 看 護 士 |
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