"rouge"は「口紅」の意であり、キュートでセクシーな女性を象徴。
"non"を付けることで、「素顔の」「本音の」という気持ちを込めました。

 地元局のアナウンサーを経て、現在テレビ番組制作会社「(有)オフィス鶴羽」で代表を務める鶴羽佳子さん。本業のかたわら講演活動を月何度も行い多忙な日々を送る彼女は、36歳という高齢出産を経て一男の母としての顔も持つ。
  「今の子を産む前に、実は2回流産しているんです。最初の妊娠を知ったとき、キャスターを続けていけなくなるかも…と素直に喜べませんでした。だから駄目だとわかった時はバチが当たったのかもと落ち込みました。そしてはじめて子どもが本当に欲しかったんだと気づいたんです。でも二度も無事に産んであげられず仕事ばかりの私は母になる資格はないのでは、と本気で悩みました」。
  そして三度目の妊娠。今度こそ赤ちゃんを産む! という強い信念を持ち、周囲にも子どもができたことを即オープンに。不安な気持ちもあったが気丈に振舞っていたという。しかし出産後、大分県の実家から母親が手伝いに来たことで変化が。
  「若い頃、母との確執が原因でどんなことがあっても頼らない、と決めていたんです。出産の手伝いにきてくれるというのも最初は断りました。結局何度も繰り返し来る電話に根負けし、来てもらうことになったのですが…。ある夜、母になぜ私が意地っ張りで人に頼れない性格になったのかをとことん言いました。それを機に確執が修復でき、素直にもう少しだけ私の側にいてほしいと言えたんです。物心がついてから母にべったり甘えたのはこれがはじめてだったと思います」。
  母親と向き合い意地を捨てることができ、人に頼ることは時として信頼関係をより深く築けるということを知ったという彼女。その後、困ったときに周りに素直に助けを求められるようになったという。

 会社の経営者であると同時に、当事ニュース番組のキャスターだった彼女は、産後2ヶ月で保育園に子どもを預け職場復帰を果たす。会社と保育園を往復し自宅に帰ってから子どもの面倒を見ながら、合間に持ち帰りの仕事をする日々は今も同じ。わが子を愛おしいと感じると同時に葛藤もときに感じてしまうという。
  「仕事が終わって保育園に向かう間は、もっと仕事したかったのに! とイライラしながら会社を出るんですが、保育園に近づくと早く子どもに会いたいと心が躍るんです。でも夜になってから仕事にとりかかろうと思っているのに中々寝ないときは、早く寝て!と怒りも感じてしまうこともしばしば」。
  しかし今の年齢だからこそ感情をぶつけたりもせず、子どもの気持ちを理解できる面も。
  「もう少し若いときだったら、自分を抑えられない瞬間があったはず。それは長い間職場でいろんなスタッフと接する中で人の立場に立ったものの考え方が培われたからだと思います。子どもにしてみれば、一日中保育園に預けられ、やっと会えたのに泣くことでしか自分の気持ちを表現できない。そんなことも年齢を重ねた今なら理解できます。また積極的に子育てに協力してくれた義父や友人達に加え信頼できるベビーシッターさんが、次々と出現する壁を越える力を貸してくれるのも、私にとって大きな存在です」。

 彼女は今年の5月、初出産と育児エッセイを綴った「おちちの時間」を出版。本書では母乳育児や保育園選びのコツなどを紹介している。
  「出版してよく『順風満帆な人生を送っていると思ってましたが色々大変だったんですね』といわれました。本がきっかけで私自身をわかってもらえ心を開いて接し合える人が増えたことが嬉しいですね」。
  また母親同士の輪を広げるため、子育てサークル「ママのプレゼント」を去年10月に発足。月に一度、親子のイベントを行っている。
  「手遊びや木のおもちゃで遊んだり、天気がいいときは外遊びも。皆、何かと子育てに悩んでいるので、愚痴りあってストレス発散してしまうこともありますけど(笑)。そんな周囲との新しい広がりも、全て息子を産んだからこそ。それまでは得られないものでした」。
  そんな彼女が、仕事をしながらの子育てで一番学んだこととは。
  「子を持ち仕事をしている女性はたくましい人が多いと思います。それは仕事以外に母としてやるべきことがあり、家と職場での切り替えを意識しているからなんでしょうね。また育児は母親一人できるものではありません。特に初めての子育ては、誰かに聞かないとわからないことだらけ。私の場合は、周囲の人の力を借りてやっと両立できていると思っています。子どもを産む前の私は、素直に助けて!もいえませんでした。そういうことも子どもを得たことで変わったんですね。私自身を人として成長させてくれる子どもという存在と、きちんと向き合っていくことが何よりも大切なのだと思います」。
鶴羽 佳子さん
YOSHIKO TSURUHA

有限会社 オフィス鶴羽代表

札幌市西区24軒1条2丁目2‐20‐603
TEL.011‐618‐1223