"rouge"は「口紅」の意であり、キュートでセクシーな女性を象徴。
"non"を付けることで、「素顔の」「本音の」という気持ちを込めました。

ノン・ルージュな彼女vol.15 凛とした中に可愛らしさも感じてもらえる柔らかで艶っぽい作品を創り続けていきたい 宮平桐さん

結婚退職後に通いはじめたニット教室で講師の資格を取得

凛とした大人を目指す女性へ向けた「和・シノワズリ(※中世ヨーロッパで流行した中国アイテム)・オリエンタル」をテーマとしたアクセサリーやニット小物が揃う、ブランド「STUDIO FORTUNE」を主催しているデザイナー宮平桐さん。イベントプロデューサーやカルチャーセンター講師など、精力的に活動するクリエーターだ。  もともとクリエーター志向はなかったという彼女。大学は英文科に進み、卒業後は宝石店に就職。営業成績はよかったが1年もすると、会社勤めをすることにどこか違和感を覚え人知れず悩む日々が続いていた。そんなときに父親の癌が発覚し精神的に不安定になってしまった彼女に、元同僚である現在のご主人が「会社勤めだけが人生じゃない。辞めて好きなことをしてみたら」と言い、その後に寿退社。アルバイトをしながらニット教室に通い講師の資格を取得したことが転機となる。  「母親が和裁士、父親は絵画展のプロデュースなどをしていたんです。そんな環境で育ったんですが、学生の頃はロックバンドでボーカルをしてたくらい活発で何かを創ることは興味はなかったんですよ。でも宝石店に勤務していたときもこんなアイテムがあればとか思ってましたし、気づかないだけで根底にはあったみたいです」。  ニット制作でものを生み出す喜びに目覚めた彼女。更にアクセサリー制作も始めるとともに、ウェブ上での販売を開始し、デザイナーとしてのスタートをきることになった。口コミで評判を呼び、作品展で作品を見たオーナーが店舗委託販売を申し出るなど、滑り出しは順調なものだった。

イベントプロデュースも自分の作品も発展し続けたい

 作品創りに励むなか、東京デザインフェスタで転機が訪れる。
  「この作品はあの人じゃないと思いつかない、創れないよなぁ…と個性やオリジナリティの大切さを目の当たりにしたんです。私は今まで売れるとかウケる、という計算でしか創ってないことに気がついたんですよね」。
  それから、これは自分が本当に創りたいものだろうか、心惹かれるものだろうかと、もの創りを意識するように。 そして幼い頃から目にしてきた和風インテリアや着物の記憶、
(上)札幌雪祭りのファッションイベントプロデュースも  (下)現在は30ブランド以上が出品する「のーるーる」
気づくとクローゼットを埋め尽くしていた黒とチャイナティストの衣服などから、自分らしさを見い出し「和・シノワズリ・オリエンタル」というブランドコンセプトが明確に。 それからは、黒い服を身につけたときに服の模様のように一体化して引き立つアクセサリーや、着物に合うニットバックなど、彼女ならではのもの創りが生まれるようになった。
  またイベントプロデューサーとしての顔も持つ彼女。企画運営する道内異業種デザイナー作品展「のーるーる」は、本気で頑張るアーティスト同士のイベントを始めたいという仲間4人でスタート。9回を迎えた今では30組以上が参加するまでになった。書類審査をした上で参加者を決め、接客や価格のつけ方なども指導しシビアに行っている。繁忙期には家事は手がまわらず、自己嫌悪になってしまうと言いつつも、心から楽しんでいる様子。「桐さんを含めてアートですね。それが楽しみで来ます」と、常連さんに言われたのが何より嬉しかったそうだ。商品、ディスプレイ、自分全てトータルで作品として価値を見出し喜んでくれるファンの存在が、情熱を燃やす原動力となっている。そんな宮平さんの今後の展望を聞くと「作家さんのプロデュースも行いつつ、1人暮らしアイテムなど、生活の潤いとなるものも手がけたいと考えています。凛とした女性がふと出す可愛らしさを持つ柔らかで艶っぽい作品を創り続ければと思っています」。

宮平 桐さん
KIRI MIYAHIRA

ニット小物・アクセサリーデザイナー
取扱店 Vivace(ヴィヴァーチェ)他
札幌市中央区南1条西26丁目1‐8ニュー参道ビル1F/TEL.011‐621‐2922
http://www.studio-fortune.com